心を鍛える冬の練習
「技術だけではなく、心を鍛えてもらわないとね」
山本監督の口から出た、冬の練習に求める結果です。
大分西高校野球部の冬の練習は過酷です。
基礎体力作りを基本に、とにかく走って体を動かす練習。目の前に目標がないこの冬の練習を乗り切り、来たるべき春・夏にはまた体力的にも精神的にも、一回り大きくなったチームを見ることが出来るのです。
時に選手達は、苦悶の表情を浮かべ、単純な毎日の体力作りに励みます。新チームになったばかりの夏・秋もかなりキツイ練習をやることがありますが、冬の練習は目の前の目標が遠いという観点から見ても、肉体的・精神的タフさが求められます。
そして、試合から遠ざかっている彼らのモチベーションを下げない様に様々な努力をし、しっかりとした『冬の結果』を出すことは、指導者としての力の魅せ所でもあるのです。

先日、山本監督と冬の練習についてお話しする機会がありました。
「基本的には体作りと精神的なものの向上」
そして冒頭の深い言葉へと繋がっていきます。
具体的なことを聞くと、①食べることによる体の大きさ、②ウェイトトレーニングや走り込みなどによる筋力の増加、③それらを持続させることによる目標への自覚を挙げてくれました。
ただしここまでの話で、一般的に私達が利用する『精神力』という使いやすい言葉が出てきません。監督にこの事を訊ねると、
「(スポーツとしての)野球だけの指導じゃないからね。野球でももちろんだけど色々な面において日本一を目指したい。これは一年を通じて。今なら、西高にしか出来ない冬の練習を重ねて、少しずつ確実に心も鍛えて欲しい」

『精神力ではなく心』
この深い言葉の意味は、私にも理解しづらいものがあります。ですがむしろ、監督と同じ環境、同じ目線、同じ目標に向かって毎日を励む選手達には、感じることが出来るのかもしれません。
時には一日に10kmを超える距離を全力疾走する選手達。
彼らがこの冬を利用して鍛えているのは、体力と心なのです。
















